小宮せんべいの歴史



当社は明治40年に創業。お陰様で100年を超えるほどになりました。
創業当時、草加せんべい店の多くは生地のみを製造する形態をとっており、
当社の創業者である小宮藤次郎もせんべいの生地のみを作っていました。
分業制で焼くのは別の店という形が一般的でした。
大正時代、現代とは違いおやつといえば「おせんべい」「団子」、「最中」くらいしか種類がなかったため、
多くの方に親しまれ生産が追いつかないほどの人気商品でした。

ところが、昭和に入り戦争が始まると米の統制が厳しくなり、せんべいの主原料となる米がどうにも
入手できなくなりました。
その影響もあり、およそ昭和18年から25年くらいまでの間はせんべい作りが
できないという状況が続きました。
再開できたのは戦後5年も経ってからで、それでもまだ米が手に入りにくい
状況は続き、せんべい屋にとってはとても苦しい時代だったそうです。
そんな苦難の時代を乗り越え、昭和30年頃になると
「生地だけではなく最後まで責任をもって自分自身の手でいいものを作りたい」という
先代の願いから、当社でも「焼く」という作業も加えるようになりました。
こうして生地づくりから焼きまでを全て一貫して行う体制が整いました。
私が四代目としてせんべい業に携わったのは昭和40年。
より美味しいせんべいを作るための新たな試みとして新型の乾燥機を導入した際には、その想いとは裏腹に
店と工場を全焼させるという大火事を起こしてしまいました。
そんな逆境の中、多くの方の助けも借り何とか2か月後には仕事を再開するに至り、
その後は地道ではありますが、着実にせんべい作りに精進し、今もその味を守り続けています。


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